先日HBCラジオ主催の「わかもと健康セミナーin 北見」に参加しました。これはHBCラジオの「朝刊さくらい」で、毎週水曜日に出演されている丸山淳士先生を講師に迎えた、健康についての講演会です。
ラジオで丸山先生はたった10分ほどの短い出演時間で、毎週面白くためになる話をされています。丸山先生は81歳と云う高齢にも係わらず、このセミナーでは1時間半ずっと話しっ放しでした。
次々から次へと、いろいろな話題について語りまくっていた丸山先生でしたが、その中でも、特に私がこれは日々実践できて、とても大事だなと思った事を一つだけ取り上げてみたいと思います。それは食事の際にしっかりと噛むと云う事です。
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最初の一口はよく噛む。とにかく30回噛もう。
唾液は耳の下にある耳下腺、顎にある顎下腺、そして舌の裏にある舌下腺から分泌されます。私達が食事をすれば、これらの唾液腺から唾液が出てきます。その唾液の中には、消化にとってとても大切な酵素が含まれています。この酵素は胃での消化を助ける、とても大切な役割を担っています。
ところがよく噛まないで食べると、必要な量の酵素が胃に届きません。では一回の食事で必要な量の酵素を分泌するにはどうするかと云うと、最初の一口をとにかく30回噛むまで飲み込まないという事です。
最初に口にした食物を、ひたすら30回じっくりと噛みしめます。たったそれだけの事で、その一回分の食事を分解するのに必要な消化酵素の、80〜90%が分泌されてしまうそうなのです。
食べたものは胃で消化されるのですが、その際に酵素ガ不足していれば、その分余分に胃酸を分泌させなければなりません。すると胃酸が出過ぎれば、それが逆流性食道炎や胃酸過多などの原因にもなってしまいます。消化は胃酸だけじゃ無く、唾液に含まれる消化酵素もとても大事なのです。
胃の中に唾液の消化酵素が充分あれば、胃酸を沢山出す必要が無くなり、そういった胃のトラブルを防ぐ事が出来るという事です。よく噛まずに早食いをすれば、胃に十分な消化酵素が供給されないので、消化のトラブルに繋がるのです。
子どものころから、食事は良くかんで食べなさいと云われて育ったと思います。それにはちゃんとした裏付けが有ったんですね。丸山先生曰く、最初の一口だけでも30回しっかり噛んでおけば、その後は丸のみしたとしてもかまわない(ちょっと極端ですが)、とおっしゃっていました。
よく噛む事は、食事をより美味しくする
実は1ヶ月ほど前から私は額関節症が酷くなり、日常にいろいろと不便をきたしています。何が1番不自由かというと、やはり食事です。食事は噛まずにすます事が出来ません。ですが噛めば顎に激痛が走る事があります。そこで優しい我が妻は、おかずの具材を細かく刻んでくれたり、ご飯をとても軟らかく炊いてくれます。そうすれば噛まなくても食べられるという訳です。
そういう食事をして、あまり痛みを感じずに食べられる事に感謝しました。ところが、そういうまるで老人の流動食のようなものを食べていて、初めて有る事に気がついたのです。「そんな食事は美味しくない!」と。
そうです、噛まずに食べる食事、ただ飲み込むだけの食事は、美味しくないのです。それはただ出されたものを、飲み込むだけの味気のない食事なのです。確かに顎に痛みは走りませんが、ただ機械的に食物を口に運び、飲み込むという食事は美味しくないという事をはっきりと実感しました。
食物を口に運び、噛み、そして飲み込む。その手順を踏む事で、食物の美味しさや、味わいを楽しみむ事が出来ると言う事に今さらながら気がつきました。噛むという手順を省略した食事は美味しくありませんし、食べると云う幸福感も感じないのです。食事の時間は幸せを感じる時間にすべきです。だから噛む事は大切です。噛む事は消化に良いだけでは無くて、より美味しく食べる事にも繋がるのですね。
食べやすいからといって、流動食を与えられている老人たちは、なんてつまらない、美味しくない、不幸せな食事をしているのでしょう。
また丸山先生は、唾液には若返りの成分も含まれているといいます。それは幸福感を感じるホルモンか何かだとも思います。例え歯が無くても、そんなドロドロの食事でも、口を動かして噛んでから食べるべきでしょう。そうすれば食事が美味しく感じられ、そして若返りのホルモンも出るのですから、良い事づくめです。
体に不調が現われる事で、普段何気なく行っていた事が、実はとても大事な事だったと気付かされる事が有ります。食事では、しっかりと噛む事の大切さ、重要性を認識しました。
ここまで読んで頂きありがとうございました。記事をシェアしていただけたら有難いです。 東倉カララ